フリーランスエンジニアが経費にできるものは?
【節税対策】

フリーランスエンジニアとして働き出すと、毎年自分で確定申告をしなければなりません。

個人で税金を計算して収めなければならないのですが、払う税金を少なくして手元に残るお金を多く残したいですよね?

それなら経費として計上できるものの種類をしっかりと知る必要があります。

経費にできるものを一つでも多く知れれば、経費計上できるものが増えるということですからね。つまり、所得を減らして支払う税額を減らすことができるのです。

そこでこの記事では、フリーランスエンジニアが経費計上できる項目について解説しました。

最後まで読むことで、どんなものが経費計上できるかがわかります。

目次
  1. 1. はじめに「経費とは?」
  2. 2. フリーランスエンジニアが経費計上できる項目
    1. 2-1. 事務用品費
    2. 2-2. 消耗品費
    3. 2-3. 通信費
    4. 2-4. 旅費・交通費
    5. 2-5. 接待交際費
    6. 2-6. 水道光熱費
    7. 2-7. 家賃
    8. 2-8. 外注費
    9. 2-9. 新聞図書費
    10. 2-10. 租税公課
    11. 2-11. 減価償却費
    12. 2-12. 広告宣伝費
    13. 2-13. 冠婚葬祭費
  3. 3. フリーランスエンジニアが経費計上する際の3つの注意点
    1. 3-1. 必ずレシートは保管する
    2. 3-2. 収益や費用はこまめに帳簿へ記入する
    3. 3-3. 経費率の割合を知る
  4. 4. まとめ

はじめに「経費とは?」

経費とは、業務上で支払ったお金のことです。

業務で発生する支払いのほとんどを経費として計上することができます。

フリーランスエンジニアであれば自宅を職場にすることになるでしょう。

その場合、プリンターやインク。パソコンやツール代なども経費にできますし、水道光熱費や家賃の一部も経費計上できます。

これらの経費を計上していけば、上手に節税できて手元に残るお金を増やすことができます。

ただし、経費には計上できるものとできないものがあるので。注意が必要です。

フリーランスエンジニアが経費計上できる項目

ここからは、フリーランスエンジニアが経費計上できる項目について、細かくご紹介していきます。

事務用品費

事務用品費とは、仕事に必要な文房具やオフィス用品を購入したときにかかる費用です。

フリーランスエンジニアとして、パソコンやノート、ペンや紙など、仕事に必要なアイテムであれば事務用品費として経費に計上できます。

これらの費用をきちんと経費に計上することで、仕事に必要なアイテムを手に入れつつ、節税の恩恵も受けることができます。

消耗品費

消耗品費とは、仕事で使用する備品のことで、その中でも一つあたりの価格が10万円未満のものを指します。

たとえば、下記のものが消耗品に含まれます。

・名刺
・封筒
・請求書、領収書
・印鑑
・コピー用紙
・コピー機のインク

これらを経費にしておくと、仕事がスムーズに進む上に、節税の効果も期待できます。

一方、一つあたり10万円を超える消耗品の場合は固定資産に計上して減価償却の対象となります。

通信費

通信費には以下のものが含まれます。

・電話代
・インターネット料金
・宅配(切手、書留、発送料金)

また、ZOOMなどのWEB会議クラウドサービスを仕事で使用している場合は、その月額料金も通信費として処理することができます。

旅費・交通費

仕事での移動や宿泊費なども経費として計上できます。

交通費には下記のものが含まれます。

・電車
・バス
・タクシー
・有料道路
・新幹線
・航空券

フリーランスエンジニアは、クライアントのオフィスやプロジェクト先に出張することがあります。そのときにかかる移動のための費用は、経費として忘れずに計上しましょう。

また、領収書はきちんと保管し、領収書が発行されない場合は代わりに出金伝票を作成しておくのをオススメします。

接待交際費

接待交際費とは、ビジネスパートナーと飲食をする際にかかる費用のことです。

接待交際費には下記のものが含まれます。

・喫茶店
・忘年会、新年会
・その他の会食

こうした機会は、お互いの信頼を深めるために重要です。費用は経費計上できるので、積極的に参加してコミュニケーションを取ることをおすすめします。

ただし、プライベートな内容のものや無駄な贅沢などの不正な経費を計上すると税務署に怪しまれる対象になるので、あくまでも仕事の範囲内での接待に限定して計上するよう注意が必要です。

水道光熱費

在宅で仕事をするフリーランスエンジニアは、水道光熱費も経費計上することができます。

しかしながら、自宅で仕事をしている場合は普段の生活も含まれるため、すべてを経費計上することはできません。

あくまでも仕事中に使用した費用のみとなります。

その場合に、仕事のみに使った分を計算する必要があります。これを「按分(あんぶん)」といいます。

水道光熱費は主に下記のものが含まれます。

・水道代
・電気代
・ガス代
・灯油代

これらは仕事で使った分量をはっきりと分けるのは難しいため、使用時間や日数を目安に按分します。

例)
1ヶ月の電気代:1万円
仕事で使う割合:30%

この場合は、1ヶ月の電気代に使用した割合を掛け算することで、経費にできる金額が算出されます。

1万円 × 30% = 3,000円

毎月の電気代に30%を掛けて合計した金額を経費計上することができます。その他の項目についても同じように計算して節税をしましょう。

家賃

自宅を事務所として使用している場合は、水道光熱費と同様に家賃も経費計上することができます。

ただし、家賃すべてを経費計上することはできないために、ここでも按分割合を求める必要があります。

この場合も全体のスペースに対して、業務で使用するスペースの割合を計算してください。

例)
家賃:10万円
全体面積:80㎡
業務面積:20㎡

この場合、まずは業務面積が占める割合を全体面積から算出します。その後で家賃に業務面積のパーセンテージ分を掛け算することで経費が算出されます。

全体面積 ÷ 業務面積 = 25%
10万円 × 25% = 25,000円

1ヶ月に25,000円になることがわかりました。あとは1年分の合計を計算して家賃を経費計上してください。

外注費

外注費とは、業務の一部を他のフリーランスの方に依頼し、その際に支払う報酬のことです。

大きな仕事をまとめて引き受けた場合に自分の専門外のタスクに関しては外注することで効率よく仕事を進められて高い質を担保することもできます。

外注するときに注意するべき点は、源泉徴収税の扱いです。

基本的に源泉徴収義務は仕事を発注する側にあります。後でトラブルにならないように、発注の段階で源泉徴収税を差し引いた金額を支払うのかを決めておきましょう。

新聞図書費

新聞図書費とは、知識を学ぶために書籍などを購入した際に発生する経費のことです。

新聞図書費には下記のものが含まれます。

・新聞
・書籍
・電子書籍
・雑誌
・メールマガジン
・有料情報サイト

フリーランスエンジニアとして、業界の最新情報や専門書に触れて、新しい知識や技術の習得は欠かせません。

注意したいのは、事業に関連する図書のみでありプライベートで購入した事業に関連性のないものは容認されません。

新聞図書費も有効に活用して経費計上し、仕事の向上につなげましょう。

租税公課

租税公課とは、法人税と住民税以外にかかる税金で、国や地方公共団体に収める税金のことです。

この租税公課は2つの言葉から成り立っていて、租税は「税金の総称」を指し、公課は「手数料・罰金」を指します。

租税には下記のものが含まれます。

・固定資産税
・自動車税
・軽自動車税
・登録免許税
・事業税
・事業所税
・印紙税
・不動産取得税
・地価税…など。

公課には下記のものが含まれます。

・国や地方公共団体が発行する証明書の発行費用
・行政サービスにかかる手数料
・交通反則金
・商工会、同業者団体などの会費
・延滞税、過怠税などの罰金

フリーランスエンジニアとして業務上で必要になる書類の発行にかかる手数料などは、この税公課で経費計上することができます。

減価償却費

減価償却費とは、代金を分割して計上することです。

価格が10万円を超えるものを購入した場合は、一括で経費計上することができません。そのために数年にわたり分割して計上していきます。

ただし、すべてが一律ではないために、固定資産の種類や構造、用途に応じて何年にわたり計上できるかを表す「耐用年数」を把握しておく必要があります。

たとえば、普通自動車なら4年間は定められた金額を毎年経費計上することができます。この耐用年数を知らなければ、計上し忘れて損をすることになるのでチェックしておきましょう。

各種詳しい耐用年数はこちらをご覧ください。

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

広告宣伝費

広告宣伝費とは、自社や自社のサービスの認知のために使う経費のことです。

広告宣伝費には下記のものが含まれます。

・テレビCM
・新聞広告
・雑誌広告
・インターネット広告
・名刺代
・ホームページ作成費、維持費…など。

これらの他にも、年賀状や暑中見舞いといった費用もビジネスにおけるコミュニケーションと考えられるため、経費計上することができます。

フリーランスエンジニアとして活動をはじめる際には、認知獲得のために有効活用しましょう。

冠婚葬祭費

冠婚葬祭費とは、ビジネスパートナーの冠婚葬祭において発生した費用のことです。

このときに送った、ご祝儀や香典などを冠婚葬祭費として計上できます。

きちんと行うことで、しっかりした人というイメージを持ってもらえるので、より仕事の信頼感につながるでしょう。

注意点としては、あくまでも事業に関係のある間柄でなければ容認されないということです。

経費計上するさいには気をつけましょう。

フリーランスエンジニアが経費計上する際の3つの注意点

最後に、フリーランスエンジニアとして活動する際にはご紹介する3つの注意点を意識しましょう。

意識することで、スムーズに経費計上できるので確定申告にかかる時間を大幅にカットできます。

1.必ずレシートは保管する

経費となるモノを購入したなら、すかさずレシートを保管するよう習慣化しましょう。

経費計上するためには、いつ、何を、どこで買ったかの証明が重要です。

万が一失くしてしまえば、計上できないので所得を下げることができません。

基本的にレシートも領収書の代わりとして経費精算に充てることが可能ですので、レシートをもらったら、忘れないうちに保管しておきましょう。

月ごとにまとめておくだけでも確定申告がスムーズになります。

2.収益や費用はこまめに帳簿へ記入する

事業で得た収益や費用は、その日のうちに帳簿に記入しましょう。

何かしらの形で残しておかなければ、課税金額が増えてしまいます。

特に収益に関しては記載義務があり、記載のし忘れは所得税の過少申告となります。

故意に行えば犯罪になるので、こまめに帳簿に記入するよう心がけましょう。

経費率の割合を知る

経費率とは、収入と経費の割合のことです。

経費率が高ければ利益は低いと考えられますし、経費率が低ければ利益は高いと考えられます。

この経費率は事業によってさまざまですが、同業者に比べて明らかに経費率が高いと不正を疑われて税務調査の対象になる場合もあります。

たとえば、年収400万円で接待交際費に200万円を計上していたとしたら、その他の経費も合わせると経費が高くなりすぎて不当な経費計上だと疑われる可能性があります。

フリーランスエンジニアの経費率は、およそ50%といわれているので、大体の目安にしてください。

経費率の計算式は下記のとおりです。

経費率(%)= 経費 ÷ 収入 × 100

50%はあくまでもフリーランス全体の目安なので、パーセンテージ自体を気にすることはありませんが、あまり経費がかからないと認知されている仕事だと、経費の割合によっては問題視されることもあります。

まとめ

今回は、フリーランスエンジニアが経費計上できる項目についてご紹介しました。

これまでは普通に購入していた本やアプリを含めた月額サービスなども仕事の勉強のためであれば経費計上ができます。

また、仕事を円滑にするための端末なども経費計上できるので、購入したさいには必ず領収書やレシートを保管しておきましょう。

そして、家賃や水道光熱費の按分もしっかり行い、適切に経費計上をしてくださいね。