フリーランスエンジニアの単価相場と単価アップの方法

「フリーランスのエンジニアになったら、どのくらいの収入になるのかな?」
「それぞれのプログラミング言語の相場や単価が知りたい」

このように思っていませんか?

自分が持っているスキルで、どれくらいの収入が見込めるのかがわかれば、フリーランスになる意思決定もしやすいですよね。

そこで、本記事では「フリーランスエンジニアの単価相場」や単価をアップさせる方法について解説していきます。

最後まで読むと、あなたのスキルで得られる収入の目安や、収入を上げるために習得するべきスキルなどがわかります。

目次
  1. 1. 3つの視点で見るフリーランスエンジニアの単価相場
    1. 1-1. 【開発言語別】フリーランスエンジニアの月額平均単価
    2. 1-2. 【職種別】フリーランスエンジニアの月額平均単価
    3. 1-3. 【経験年数別】フリーランスエンジニアの月額単価
  2. 2. フリーランスエンジニアが単価アップするには
    1. 2-1. 方法①需要のあるスキルを習得する
    2. 2-2. 方法②クライアントに信頼される
    3. 2-3. 方法③想像以上の仕事をする
    4. 2-4. 方法④複数の案件をまるっと請け負う
    5. 2-5. 方法⑤単価交渉をする
  3. 3. 案件の単価(金額)の決め方
      3-1. スキル(開発言語)の種類
    1. 3-2. 実務経験や年数
    2. 3-3. 仕事内容と作業量
  4. 4. フリーランスエンジニアは、いつ単価交渉すべき?
      4-1. 同じクライアントからの発注が増えたら
    1. 4-2. 継続案件を獲得したら
    2. 4-3. 新しい案件への参画を提案されたら
    3. 4-4. 難易度の高いスキルを習得したら
    4. 4-5. これまでの仕事を高く評価されたら
  5. 5. フリーランスエンジニアの単価交渉時の注意点
      5-1. 注意①スキルの単価相場を知っておく
    1. 5-2. 注意②スキルシートを作成しておく
    2. 5-3. 注意③交渉時の会話の流れを練習しておく
    3. 5-4. 注意④事前にフリーランスエージェントに相談しておく
  6. 6. まとめ

3つの視点で見るフリーランスエンジニアの単価相場

ここでは、3つの項目からフリーランスエンジニアの単価を見ていきます。ご紹介するそれぞれの項目は以下のとおりです。

  • 開発言語別
  • 職種別
  • 経験年数別

エンジニアの単価は、スキルや経験年数によっても大きく変わってくるので、単価相場を確認しておきましょう。

【開発言語別】フリーランスエンジニアの月額平均単価

まずは、フリーランススタートが市場月額単価を参考に、開発言語別の単価をご紹介します。

参照:PRTIMES

見やすく表にまとめたものが下記です。

言語 月額平均単価(万円)
R言語 84.3
Scala 75.5
Apex 73.8
Dart 71
Type Script 70
Kotlin 68.7
Cocos2d-x 68
Rust 66.9
Swift 66.7
Objective-C 66.6
Go言語 65.3
JavaScript 63.8
Python 62.7
Ruby 62.6
Java 61.5
PHP 61.5
Unity 60.4
C++ 60.3
C#.NET 60.1
SQL 58.4

単価の高い言語は、それだけ需要が高まっていたり、習得が難しかったりするものです。そのため、身につけることで、高収入が期待できます。

これから新しいプログラミングの習得を目指す場合は、高い単価が期待できる言語も視野に入れてみましょう。

【職種別】フリーランスエンジニアの月額平均単価

下記もフリーランススタートが市場月額単価を参考にして、職種別の単価をご紹介します。

参照:PRTIMES

見やすく表にまとめたものが下記です。

職種 月額平均単価(万円)
CRE(Customer Reliability) 81.2
PMO 77.4
SRE 76.9
クラウドエンジニア 75.3
コンサルタント 74.1
PdM(プロダクトマネージャー) 73.3
Androidエンジニア 72.7
PM(プロダクトマネージャー) 71.4
機械学習エンジニア 70.5
データベースエンジニア 67.8
エンジニアリングマネージャー 66.1
システムエンジニア(SE) 65.6
プロデューサー 64.3
マーケター 64.2
ブロックチェーンエンジニア 64
データサイエンティスト 63.7
VPoE 63.8
インフラエンジニア 62
バックエンドエンジニア 61.8
アプリエンジニア 60.6

職種によっては、最大で20万円ほどの開きがあります。

しかし、この表にある職種の中でも、これからの需要によって単価が上がる職種や下がる職種も出てくるでしょう。

表は参考程度に考えてください。それよりも世の中の需要に焦点を当てて、求められるスキルを習得していくことが、将来的に単価アップにつながります。

【経験年数別】フリーランスエンジニアの月額単価

経験年数 月額平均単価(万円)
1年未満 約30
1年目 約45
2年目 約50
3年目 約60
4年目 約70
5年目 約90
参考:areer-first「フリーランスエンジニアの経験年数別単価相場」

クライアントが外注を使うときは、即戦力を求めて依頼します。そのため、実務経験が多い人ほど信頼され仕事をまかせられます。

表のように経験年数が多いほど収入が増えていく理由は、定期的に案件の依頼があるクライアントの数と、スキルの熟知による作業のスピードや効率性が上がるからでしょう。

もし、実務経験が少ない場合は、独立を急がずに、まずは会社員として実務経験を積んでからでも遅くはありません。

反対に実務経験がほとんどないのに独立してしまうと、収入がいちじるしく減ってしまい、生活が困難になることさえあります。

フリーランスエンジニアが単価アップするには

フリーランスエンジニアが単価をアップさせるには、以下5つの方法が考えられます。

①需要のあるスキルを習得する
②クライアントに信頼される
③想像以上の仕事をする
④単価交渉をする
⑤複数の案件をまるっと請け負う

順番に解説していきます。

方法①需要のあるスキルを習得する

需要のあるスキルを身につけると単価はアップしやすくなります。

需要があっても供給(スキル習得者)が少ないと、単価が高くなる傾向にあるからです。

たとえば、日本ではガソリン代が高いイメージがありますが、それも需要に対して供給が足りず、単価が上がっているからです。

需要と供給のバランスが取れてくると、単価も一定におさまります。

そのため、誰もが習得できない、やや難易度の高いスキルを習得することがおすすめです。

方法②クライアントに信頼される

クライアントに信頼されれば、依頼される案件の数や単価アップにつながります。

クライアントは、会社外に信頼できて長く付き合えるパートナーを探しています。

そのため、他のフリーランスの中からクライアントの信頼を勝ち取ることができれば、クライアントの抱える案件があなたに集中しはじめるといったこともあるでしょう。

また、信頼されれば、その後の単価アップの交渉も提案しやすくなります。

方法③想像以上の仕事をする

案件を納品するときは、クライアントの想像を超えるものを提出しましょう。

制作物の正確さはもちろんですが、それ以外にも、クライアントがわずらわしいと思いそうなところは、仕上げておくと喜ばれます。

ポイントは、他のフリーランスがやっていなそうなことを探して、実行することです。

そうすれば、クライアントの中で、他とは違う人だと認識され、差別化につながります。

方法④複数の案件をまるっと請け負う

クライアントはいくつもの案件を持っています。

その中のひとつをあなたに依頼しているにすぎません。ですので、依頼を受けたさいに「もし、他にも納期が近いものがありましたら、まとめて引き受けますよ」といったニュアンスで提案してみましょう。

他の案件があれば「じゃあ、これもお願いできますか?」となりますし、なければ「ない」と言われるだけです。それによって失うものはないので、この一言は付け加えましょう。

複数の案件になれば、大体の場合は「いくらでやってもらえますか?」という話になるので、そこで単価をアップすることもできます。

方法⑤単価交渉をする

クライアントとの関係性が築けてきて、信頼されていると感じたら、単価交渉をしてみましょう。

単価交渉のコツは、ただ単価を上げてほしいとお願いしないことです。クライアントも出ていく費用はおさえたいので、ただ単価を上げるとなるといい顔はしません。

そこで、「プラスで何かをするから」単価を上げてもらえないか?という提案の仕方をします。

たとえば…

  • 短い納期でも間に合わせる
  • 他の言語も案件もできる
  • どんな案件よりも一番に優先する

など、実績がない人でも提案できるようなプラスアルファで構いません。ただ単価アップしてほしいと思われないための理由付けのようなものです。

案件の単価(金額)の決め方

フリーランスエンジニアの単価は、案件によって異なります。

ここでは、どのような基準で単価が変わるのかをご紹介します。

スキル(開発言語)の種類

案件の単価は、案件で使用する開発言語の種類によって変わります。

たとえば、習得難易度が高い言語であれば単価は高いですが、難易度が低いものであれば単価も低くなります。

ピアノを例にすると、「ねこふんじゃった」を弾ける人は多いので、依頼する場合の単価は低いですが、ベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』を弾いてもらうなら、単価が高くなるのもイメージできるのではないでしょうか。

単価は、需要があり技術者が少ないものほど高い傾向にあります。

実務経験や年数

フリーランスエンジニアは実務経験が多い方が単価も高くなりやすいです。

なぜなら、実績がなくても経験年数が信用を測る物差しになるからです。

たとえば、英会話講師を募集するとして、英会話をはじめて1週間という人と、もう5年学び続けているという人では、英会話力に大きな差が生じるでしょう。

実績がないからといって、両者を同じ給与では雇えませんよね。これは、わざと大げさな例にしましたが、実際のところフリーランスエンジニアも実務経験や年数があるほど単価が高くなりやくなります。

仕事内容と作業量

仕事の内容や作業量によっても単価は変わります。

たとえば、本を要約する仕事を受けたとして、普通の本を要約するのと論文を要約するのとでは難易度が違います。

もし、両方とも単価が同じだったらどうでしょうか?

当然、普通の本の要約をしたがる人は多いけれど、論文の要約をしたい人は集まりません。

そのため、難易度によって単価を変えないと応募者もいなくなってしまいます。

また、作業量によっても単価は変わります。

本の例を続けると、普通の本10ページを要約するのと、100ページ要約するのとでは10倍労力がかかるわけです。

そのため、単価に差をつけなければ、100ページの要約に応募する人はいないでしょう。

こうして、仕事の内容や作業量によって、単価は高くなります。

フリーランスエンジニアは、いつ単価交渉すべき?

ここでは、フリーランスエンジニアが、どのようなタイミングで単価交渉をしたらいいかについてご紹介します。

①同じクライアントからの発注が増えたら
②継続案件を獲得したら
③新しい案件への参画を提案されたら
④難易度の高いスキルを習得したら
⑤これまでの仕事を高く評価されたら

それぞれ解説していきます。

同じクライアントからの発注が増えたら

クライアントに信用されると、まかされる仕事が多くなることがあります。

そんなときには、単価交渉のチャンスです。

たとえば、クライアントを優先して納期を守りつつも変わらない品質を担保するかわりに、報酬のプラスを打診してもいいでしょう。

もし断られたとしても、単価をアップしたい意思は伝わるので、どこかのタイミングで単価アップしてもらえる可能性も残ります。

反対に打診しなければ、いつまでも同じ単価が続いてしまうので、まずは伝えることを意識してみてください。

継続案件を獲得したら

継続案件を獲得したときや、すでに参画している案件の継続を依頼されたときは、交渉のチャンスです。

すでに関わっている案件の場合、途中で担当が変わってしまうと、いろいろと新しい業務が発生してしまい大変です。

クライアントとしては、なるべくすでに依頼している人に継続してほしいというのが本音でしょう。

そのため、単価交渉をもちかけられても、提案によっては快く承諾してくれることもあります。

新しい案件への参画を提案されたら

新しい案件への参画を提案されたときも、単価交渉のチャンスです。

継続案件を獲得したときに似ていますが、単価アップを切り出すタイミングにもなります。

もちろん、ただ単価アップしてほしいと頼むのではなく、理由付けを忘れないようにしてください。

これまで同様に品質を担保するとか、さらに短い納期で納品するなど、クライアントにとってメリットを付け足す必要があります。

何か新しい取り組みのさいには、その区切りで単価交渉を試してみてください。

難易度の高いスキルを習得したら

新しいスキルを習得したときも、単価交渉のチャンスです。

世の中で需要が高まっているけど、技術者が不足している言語を習得すれば、仕事の幅も広がりますし、請け負える仕事の種類も増えます。

また、難易度の高い言語は習得が難しいために、単価が高くても技術者を確保しておきたいものです。

そのため、単価交渉も通りやすくなるので、難易度の高いスキルを習得したら交渉してみましょう。

これまでの仕事を高く評価されたら

クライアントに評価されたら、単価交渉を切り出すチャンスです。

クライアントは何も仕事の質だけを見ているわけではありません。人間性や仕事への姿勢、コミュニケーション能力を加味したうえで評価しています。

クライアントにとってやりやすい人物は、手放したくないものです。ですので、評価してもらえたなら単価交渉が通りやすい時でもあります。トライしてみましょう。

フリーランスエンジニアの単価交渉時の注意点

フリーランスエンジニアが単価交渉をするさいには、以下の4つに注意点しましょう。

注意①スキルの単価相場を知っておく
注意②スキルシートを作成しておく
注意③交渉時の会話の流れを練習しておく
注意④事前にフリーランスエージェントに相談しておく

それぞれ解説していきます。

注意①スキルの単価相場を知っておく

単価交渉をするときは、扱える言語の単価相場を調べておきましょう。

もし、相場とかけ離れた単価を要求してしまうと、単価交渉に失敗するリスクが高まるからです。

たとえば、ペットボトルのお茶の相場が160円として、クライアントが相場観を認知している場合、200円と提示すると割高に思われて、断られてしまうでしょう。

このように、単価には相場があるので、相場を調べたうえで交渉することで、単価アップしてもらえやすくなります。

注意②スキルシートを作成しておく

単価交渉のときには、スキルシートが重要視されます。

どんな言語をどのレベルで扱えるのか、どれくらい実務を経験してきたのか。

これまでどんなプロジェクトに関わってきたのかといった実績が考慮されるからです。

特に、「活かせる経験・知識」「保有技術」「経験プロジェクト」、これらの項目を明確にしてスキルシートを作成しましょう。

注意③交渉時の会話の流れを練習しておく

単価交渉の前に、クライアントとの交渉を想定したシミュレーションを練習しておきましょう。

「何を伝えたいのか」が伝わらなければ、目的とする成果をあげられません。

交渉に慣れていなければ、ぶっつけ本番でスムーズに話を進められることはないので、事前に練習をしておくことをおすすめします。

注意④事前にフリーランスエージェントに相談しておく

フリーランスエージェントを通して仕事を獲得している場合は、エージェントに相談してみましょう。

フリーランスエージェントでは、利用者一人ひとりに担当アドバイザーがつき、単価交渉まで行ってもらえることがあります。

自分で交渉することに自信がなくて、エージェントを利用している場合には、フリーランスエージェントに相談してみましょう。

まとめ

この記事では、「フリーランスエンジニアの単価相場と単価アップの方法」についてご紹介しました。

手順をおさらいしましょう。

①単価の相場を調べる
②単価アップしてもらえる材料をそろえる(スキル習得など)
③スキルシートを整える
④単価交渉をする

以上の流れとなります。

単価交渉をするには、プラスアルファとしてクライアントが得をするようなメリットを付け加えて交渉するようにしましょう。