フリーランスエンジニアにおすすめな10の資格と取得費用を解説

フリーランスエンジニアとして活動する場合、案件を獲得する際に所有する資格がアピールポイントとなる場合があります。

資格を持っていると、他のフリーランスとの差別化やスキルの証明、単価アップなどにも役立ちます。

でも、どんな資格を取得したらいいのか?その費用や費用対効果も気になるところですよね?

そこで本記事では、「フリーランスエンジニアにおすすめな10の資格」と、費用や費用対効果についても解説していきます。

最後まで読んでいただければ、あなたに合った資格と、その費用についてもわかるので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
  1. 1. フリーランスエンジニアは資格を取るべき?
  2. 2. フリーランスエンジニアが資格を取得する3つのメリット
    1. 2-1. 案件獲得の際にアピール材料になる
    2. 2-2. 資格が必要な案件でも応募できる
    3. 2-3. 技術の向上につながる
  3. 3. フリーランスエンジニアにおすすめな10の資格と受験料金
    1. 3-1. 「基本情報技術者試験」
    2. 3-2. 「応用情報技術者試験」
    3. 3-3. 「PHP技術者認定試験」
    4. 3-4. 「Oracle Certified Java Programmer」
    5. 3-5. 「Linux技術者認定」
    6. 3-6. 「AWS認定資格」
    7. 3-7. 「シスコ技術者認定」
    8. 3-8. 「ORACLE MASTER」
    9. 3-9. 「ネットワークスペシャリスト」
    10. 3-10. 「システムアーキテクト試験」
  4. 4. 本当に資格は取得すべき?費用対効果は?
  5. 5. フリーランスエンジニアが資格を取得するための勉強方法は?
    1. 5-1. 独学
      1. 5-1-1. 過去問演習
      2. 5-1-2. 書籍
      3. 5-1-3. 通信講座
      4. 5-1-4. 動画コンテンツ
    2. 5-2. スクールに通う
  6. 6. まとめ

フリーランスエンジニアは資格を取るべき?

結論からいうと、フリーランスエンジニアに必ずしも資格は必要ありません。

資格がなくても案件の獲得はできますし、むしろコミュニケーションや実績の方が大事になります。

とはいえ、資格を持っているとスキルの証明になるので信頼度が高くなるでしょう。

資格を持つことで得られるメリットについては次章で解説していきます。

フリーランスエンジニアが資格を取得する3つのメリット

資格を持っていなくてもフリーランスエンジニアとして活動することはできますが、資格を持っていることで得られるメリットもあります。

ここでは、特に有効な3つのメリットについて解説します。

案件獲得の際にアピール材料になる

資格を取得していると、案件獲得に役立つことがあります。

なぜなら、一定水準のスキルと知識を持っていることを証明できるからです。

クライアントからすれば、質の良い仕事をしてくれる人を採用したいですし、継続的に案件をまかせていきたいはずです。

そのため、資格を取得していない人としている人では、クライアント目線に立ったときの安心感が違います。

従って、資格を取得していた方が案件を獲得できる可能性は高くなります。

資格が必要な案件でも応募できる

フリーランスエンジニア向けの案件の中には、資格を所有していなければ応募できない案件もあります。

特に一定レベルの知識やスキルが必要な案件に多いです。

これは、資格保有者は取得の段階で、その分野の最新の規格や手法、ベストプラクティスなどを学んでいるため、適切な対応ができると考えられているからです。

適切な資格を保有すれば、その専門性が認められ、資格が必要とされるプロジェクトにも採用される可能性も高くなります。

技術の向上につながる

資格を取得するためには、その分野の専門知識と実務能力を身につける必要があります。

そのため、資格取得に励むことが、自然と技術力の向上にもつながっているのです。

さらに、資格には更新が必要なものもあり、資格更新のために継続的な研鑽が求められます。

従って、最新のトレンドや手法を常に学び続ける必要があり、スキルの維持と向上ができるのです。

フリーランスエンジニアにおすすめな10の資格と受験料金

ここからは、フリーランスエンジニアにおすすめする資格を10個ご紹介します。それぞれの特性を知り自分に合ったものを見つけてみてください。

「基本情報技術者試験」

公式サイト:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html

「基本情報技術者試験」とは、情報処理推進機構(IPA)が実施している国家資格のことです。

この資格は、IT分野の基礎的な知識と技術力を評価するもので、ITエンジニアの登竜門とされています。

ITの基礎的な部分を幅広く学ぶことができ、ビジネス現場で役立つ実践的な知識が得られるため、幅広い人々に人気があります。

受験料金

7,500円(税込み)

こんな人におすすめ

  • フリーランスでITの基礎知識を身につけたい人
  • ITの別分野の案件獲得を目指す人
  • 上位の情報処理技術者試験を目指す人

「応用情報技術者試験」

公式サイト:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html

「応用情報技術者試験」とは、情報処理推進機構(IPA)が実施している国家資格のことです。

こちらは、先程ご紹介した「基本情報技術者試験」に続く上位レベルの資格とされています。

ITシステムの企画、分析、設計、開発、運用など、情報処理の応用的な知識と技術力を学ぶことができ、実践的かつ高度なITスキルを身につけることができます。

受験料金

7,500円(税込み)

こんな人におすすめ

  • システムエンジニアやプロジェクトマネージャーを目指す人
  • IT関連企業で中核的な役割を担いたい人
  • コンサルティングファームでITコンサルタントを目指す人
  • ITベンダー企業の上級システムエンジニアになりたい人

「PHP技術者認定試験」

公式サイト:https://www.phpexam.jp/summary

「PHP技術者認定試験」とは、PHPフレームワーク協会が運営している民間資格です。

この資格は、PHPを用いたWebアプリケーション開発に必要な知識と技術力を認定するものです。

PHPを使いこなす上級者にとっては実力の証明になり、受注機会の拡大が期待できます。

受験料金

PHP8技術者認定初級試験:60分     13,200円(学割:6,600円
PHP5技術者認定上級/準上級試験:120分 16,500円(学割:8,250円
PHP8技術者認定上級/準上級試験:120分 16,500円(学割:8,250円

こんな人におすすめ

  • Webシステムの開発を行うプログラマー
  • PHPフレームワークの導入やチューニングに携わるエンジニア
  • フリーランスでPHPプログラミングの案件を受注したい人

「Oracle Certified Java Programmer」

公式サイト:https://www.oracle.com/jp/education/certification/jse11-5570635-ja.html

「Oracle Certified Java Programmer」とは、Oracleが提供する技術者認定資格です。

この資格は、Java SE(Standard Edition)のプログラミング能力と基本的な知識を評価するものです。

資格を取得することで、Java案件の獲得に有利になることが期待できます。

受験料金

34,300円(税抜)

こんな人におすすめ

  • Java経験者が自身のスキルを客観的に評価したい場合
  • フリーランスがJavaのスキルを証明する際の資格
  • Javaについて体系的に学習したいキャリア初期の開発者

「Linux技術者認定」

公式サイト:https://www.lpi.org/ja/?gad_source=1&gclid=Cj0KCQjwlZixBhCoARIsAIC745AM00rYJXufo12W7hKUfyr_CaqCfGH9ilnE9b5-aTMvY33kFpS5sGkaAjlVEALw_wcB

「Linux技術者認定」とは、一般社団法人 LPICジャパンが運営するLinuxに関する技術力を認定する民間資格です。

この資格は、実務でLinuxを利用する上で必要となるシステム管理やネットワーク構築などの知識と技術力を評価するものです。

取得することで、クライアントから実践的なLinux運用スキルを持つ人材と見なされるので、案件獲得にも役立つでしょう。

受験料金

16,500円(税込)

こんな人におすすめ

  • システム/ネットワーク系の案件を獲得したい人
  • クラウド/サーバホスティング業界の案件を獲得したい人
  • Linuxサーバのリモート保守を行いたい人
  • 将来Linux関連の仕事に就きたい未経験者

「AWS認定資格」

公式サイト:https://aws.amazon.com/jp/certification/

「AWS認定資格」とは、Amazon Web Services(AWS)が提供する、クラウドコンピューティングに関する技術者認定資格のことです。

AWSが提供する様々なクラウドサービスの知識と運用スキルを評価する資格で、AWSのサービスやソリューションアーキテクチャ、セキュリティ、運用など、多岐にわたる分野の知識が問われます。

最近では、クラウドサービスの利用が加速している企業が多く、AWS認定資格保有者に対するニーズが高まっています。

資格を取得することで、案件の獲得や単価アップなどのキャリア形成の武器にもなり得ます。

受験料金

クラウドプラクティショナー: 1,500円
アソシエイト認定: 20,000円
プロフェッショナル認定: 40,000円
専門分野認定: 40,000円
注: 試験の料金は、これらの通貨の為替レートの更新を反映して毎年4月に更新されます。

こんな人におすすめ

  • クラウド環境の設計・構築・移行を行いたい人
  • クラウド運用を担当したい人
  • AWS環境でのDevOpsの実践を目指したい人
  • クラウドに関する最新の知見を学びたい人

「シスコ技術者認定」

公式サイト:https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications.html

「シスコ技術者認定」とは、シスコシステムズが提供している技術者向けの認定資格です。

この認定資格は、シスコのネットワーク製品に関する知識と運用・設計・トラブルシューティングなどの実践的なスキルを評価するものです。

特にシスコ製品を利用している企業では、システム設計やネットワーク運用を行うにあたり資格を求める場合が多くあります。

資格を取得することで、実務経験と合わせてキャリアパスを積むことができる重要な資格と言えます。

受験料金

エントリー(CCENT)16,056円
アソシエイト(CCNP)42,120円
プロフェッショナル(CCNP)116,640円
エキスパート(CCIE)58,320円※ラボ受験を含めると265,680円
アーキテクト(CCAr)約38万円

こんな人におすすめ

  • ネットワークエンジニアを目指す人
  • ネットワークアーキテクトを目指す人
  • ネットワークセキュリティスペシャリストを目指す人
  • ネットワーク設計・構築を手がけたい人

「ORACLE MASTER」

公式サイト:https://www.oracle.com/jp/education/index-172250-ja.html

「ORACLE MASTER」とは、Oracleが提供するデータベース製品に関する最上位の技術者認定資格です。

この資格は、Oracleデータベース技術の全般にわたる高度な専門知識と実践的なスキルを持つエキスパートレベルの技術者を認定するものです。

ORACLE MASTERの認定を受けるには、事前に以下の複数の資格を取得する必要があります。

  • Oracle Certified Associate (OCA)
  • Oracle Certified Professional (OCP)
  • 上級データベース認定資格 (OCM、OCS等)

受験料金

37,730円(税込)

こんな人におすすめ

  • データベース設計やコンサルティングに従事したい人
  • 大規模データベースシステムの構築や最適化を行うデータベースアーキテクトを目指す人
  • データベース製品のベンダー技術者になりたい人

「ネットワークスペシャリスト」

公式サイト:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html

「ネットワークスペシャリスト」とは、経済産業省が所管し、IPA(情報処理推進機構)が運営する国家資格です。

この資格は、TCP/IPを基礎としたネットワーク技術全般に関する理解度と、設計・構築・運用・保守などの実務能力を評価するものです。

資格の取得には、実践的なネットワークスキルと専門知識が求められますが、企業や発注側から高い評価を受けている資格の一つとなります。

受験料金

7,500円(税込み)

こんな人におすすめ

  • ネットワークエンジニアや専門技術者を目指す人
  • ISP/キャリアなどネットワーク関連企業をクライアントにしたい人
  • システムインテグレーターのネットワーク設計を目指す人
  • ネットワーク機器の保守運用を行いたい人

「システムアーキテクト試験」

公式サイト:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sa.html

「システムアーキテクト試験」とは、経済産業省が所管し、IPA(情報処理推進機構)が運営する国家資格です。

システムの企画、設計、構築に関する高度な専門知識と技術力を評価するものです。

試験では、大規模システムの企画立案から設計、構築までのプロセス全体を通じた専門的な知識と実践力が問われます。

大規模システムの企画から設計、構築までをリードできる高度な専門性が求められる分野で活躍するために、この資格は重要な指標となるでしょう。

受験料金

7,500円(税込み)

こんな人におすすめ

  • システムアーキテクトやソリューションアーキテクトを目指す人
  • システム設計や開発を統括するプロジェクトリーダーを目指す人
  • システムコンサルタントやIT戦略立案に携わるコンサルタントを目指す人
  • システム開発の上流工程に携わるシステムエンジニアを目指す人
  • システムインテグレーターの責任者を目指す人

本当に資格は取得すべき?費用対効果は?

冒頭でもお伝えしたとおり、資格は取得しなくても案件獲得はできます。

実際に無資格で仕事をしているフリーランスエンジニアも多いことでしょう。

しかし、これからフリーランスエンジニアとしてスタートする場合や、仕事が軌道に乗っていないと感じる場合は資格の取得を検討してみても良さそうです。

資格を取得することで実績が少なくても、一定の知識とスキルを持ち合わせていることがわかるので信頼にもつながります。

ほとんどの受験料が3万円以下ということを考えると、取得した後に早く信頼を得られて継続案件に発展すれば、すぐに元を取り戻せる金額なので、資格を持つことの費用対効果は高いと考えられるでしょう。

フリーランスエンジニアが資格を取得するための勉強方法は?

  • 独学
  • スクール

フリーランスエンジニアが資格を取得するための勉強方法には、大きく分けて独学とスクールに通う2パターンがあります。

一言に独学といっても学び方はさまざまで、選択肢によってメリットとデメリットがあるので、そのあたりを解説していきます。

独学

まず、独学の良いところは自分のペースで学べることです。しかし、疑問や理解しづらい部分について誰かに質問することができなかったり、モチベーションを保つのが難しい場合があります。

独学での学習法は以下の4つになるでしょう。

過去問演習

過去問題の演習は、文字通り過去に出題された項目について集中的に学べるため、費用対効果は高いといえます。

問題集の費用も比較的安価であり、実際の試験形式や問題の傾向を把握できるため、実践的な確認ができるというメリットがあります。

書籍

書籍や専門誌を購入して、自分なりに実践しながら覚える方法で、網羅的に理解し演習する必要があります。

知識が体系的にまとめられているものもありますが、解説やサポートが不足している場合もあるため、理解しづらい場合もあります。

資格取得という点で考えるなら、過去の出題範囲を集中的に学べる過去問題集に分売が上がるでしょう。

通信講座

通信講座は、過去問題集や書籍に比べると、やや費用が高くなります。

講座の進度に合わせて学習する必要があるものだと、期間内に課題やテストをこなさなければならないこともあります。

自由度は若干低くなるものの、専門家による解説が受けられるので、短期間で知識とスキルをアップが目指せます。

動画コンテンツ

自分のペースでいつでもどこでも勉強できる自由度の高い勉強法です。

課題やテストの有無は、提供側によって異なります。

専門家の解説や、視覚的な要素が多いために理解がしやすく、サポート有りのプランであれば質問もできるので、わからない部分もすぐに解消できるのがポイントです。

しかし、通信講座同様に、費用が数万円から数十万円かかるものもあるので、資格取得までの初期投資がかさむというデメリットもあります。

スクールに通う

スクールは、指導者から直接専門的な指導を受けられるので、短期的に知識とスキルを向上できます。

また他の受講者との交流もあることから、同じ分野で頑張る仲間ができ、モチベーションの維持も期待できます。

ただし、費用面は通信講座や動画コンテンツ以上となる場合もあるでしょう。

対面形式のスクールでは、スクールに通うための時間とお金もプラスされ、スクールのスケジュールに従う必要があるため自由度は低くなります。

どれもメリットとデメリットがあるので、自分に合った方法を選んで学んでください。

まとめ

今回は、「フリーランスエンジニアにおすすめな10の資格と取得費用を解説」というテーマで解説しました。

資格は必ずしも必要ありませんが、取得しておくことでクライアントから信頼を獲得でき仕事につながるケースもあります。

フリーランスエンジニアとしてスタートをするなら、とにかく数をこなして実績を作って単価の高い案件を獲得するか。

それとも、資格を取得して信頼を獲得して単価の高い案件を獲得するか。

おすすめは「働きながら必要であれば取得を検討する」でいいと思います。