フリーランスエンジニアの現実は?メリット・デメリットを解説

「フリーランスで自由に働きながら収入を上げたい…」
でも、現実は甘くないとの声もあります。では、実際に、

「フリーランスエンジニアってどうなの?」
「稼げるの?厳しいの?」

これからフリーランスエンジニアを目指すにあたり、こんな悩みや不安もあると思います。
本記事では、フリーランスエンジニアは「現実にどうなのか?」メリットとデメリットを踏まえてお伝えします。

読み終えれば、フリーランスエンジニアに目指すべきかがわかるので、参考にしてみてください。

目次
  1. 1. フリーランスエンジニアは本当に良いことづくしなのか?
    1. 1-1. フリーランスと会社員の違い
    2. 1-2. 会社員と比べて収入が不安定
    3. 1-3. 福利厚生がない
    4. 1-4. トラブルの責任は自分で取る
    5. 1-5. 雇用契約が違う
  2. 2. フリーランスエンジニアの現実は?
    1. 2-1. フリーランスエンジニアの案件獲得は?
    2. 2-2. フリーランスエンジニアに多い年齢層と性別は?
    3. 2-3. フリーランスエンジニアの将来性は?
  3. 3. フリーランスエンジニアのメリット・デメリット
    1. 3-1. フリーランスエンジニアのメリット
    2. 3-2. フリーランスエンジニアのデメリット
  4. 4. フリーランスになる前に意識すべきこと
    1. 4-1. 仕事はいきなり辞めない
    2. 4-2. 副業から取り組むこと
    3. 4-3. 副業時代にスキル磨きと実績を積んでおくこと
    4. 4-4. 3ヶ月は生活できるくらいの貯金をしておくこと
  5. 5. まとめ

フリーランスエンジニアは本当に良いことづくしなのか?

まず、何も考えずにフリーランスの良いところばかり見て独立してしまうと、仕事獲得の面でとても苦労します。

正社員の場合は会社が取引をしている大きな会社からの案件を、上司の指示に従って行い納品します。そのため仕事が途切れるといったこともありません。

一方で、フリーランスは自分で案件を獲得して作業を行い納品する必要があります。つまり、営業から納品までを遂行する必要があるのです。

もし、十分な案件を獲得できていないと、1週間のうちに何日も作業のない日が出てしまい、それはそのまま収入に直結してしまいます。

フリーランスと会社員の違い

ここからは、フリーランスにはなくて会社員にはあるものなど、双方の違いについてご紹介します。

会社員と比べて収入が不安定

会社員は多くの場合は固定給で給与が支払われます。

ですので、収入に上限はあるものの安定して毎月同じ金額を受け取ることができます。

一方で、フリーランスは、こなした案件の数で収入が変動します。

そのため、単価の高い案件を受注するためにスキルの向上を行ったり、案件が途切れなくするために日々営業活動に励んだりする必要があります。

大きなクライアントを獲得できさえすれば、収入の上限がないために会社員時代よりも稼ぐことができますが、クライアントからの案件が減れば、それも収入に直結するので、会社員のように収入は安定しません。

このように、常にクライアントがいなくなる不安に駆られるのもフリーランスの辛いところです。

福利厚生がない

フリーランスになると福利厚生を受けられなくなります。

たとえば、社会保険やその他の手当や補助がなくなり、すべて自分で補う必要が出てきます。

もともと福利厚生は、従業員とその家族の生活の安定と向上。そして働く環境を整えることで人材の確保や能力の発揮を支援させるためのものなので、会社に属さなければ福利厚生はなくなってしまいます。

しかし近年は、エージェントサービスによっては福利厚生が得られるところも出てきています。

どうしても福利厚生を受けたい場合は、エージェントサービスに登録して仕事を受注するのも方法の1つです。

トラブルの責任は自分で取る

フリーランスになると、発生するトラブルの対応も自分で考える必要があります。

会社員であれば、部署やチームをまとめる上司に責任があるので、対応してもらえるでしょう。

しかし、フリーランスになると自分で責任を負わなければなりません。

万が一、取引先とのトラブルが大きく、損害賠償にまで発展したとしても、自分で対応せざるお得ませんので、事前に知識を学び、危険なクライアントとは付き合わないようにするなど対策を考えておきましょう。

雇用契約が違う

会社員は職場と雇用契約を結んでいます。フリーランスは企業と業務委託契約を結びます。

雇用契約は労働基準法で守られているため、余程の理由がなければ解雇されることはありません。

契約期間が満期終了のさいに契約を延長してもらえなければ、実質的には解雇と同じ状態になります。

そのため、会社員よりも細かい仕事が求められるといえます。

フリーランスエンジニアの現実は?

ここまでで、フリーランスエンジニアが夢ばかりではないとわかりました。人によっては会社員として働く方がいいでしょう。

では、フリーランスエンジニアとして働く上で、どのように働いていくべきなのか。そういう点についてご紹介します。

フリーランスエンジニアの案件獲得は?

フリーランスになると、まず困るのが案件をどこから獲得するかです。

案件を発注してくれるクライアントがいなければ、収入に繋がりません。

では、フリーランスの人たちはどこで案件を獲得しているのでしょうか?

フリーランス協会が発表している『フリーランス白書』のアンケートにおいて、最も収入が得られる仕事の獲得経路は次のとおりとなっています。

参考:フリーランス白書

人脈と過去・現在の取引先がほぼ同率で全体のおよそ67%を占めていることがわかります。

このことから、フリーランスとして独立する前から、いかに人脈を築いて仕事を請け負える状態を整えておくことが、フリーランスとしての成功の秘訣となるでしょう。

フリーランスエンジニアに多い年齢層と性別は?

同じく、フリーランス白書では、フリーランスとして働く年齢と性別において、次のとおりとしています。

参考:フリーランス白書

以上のように、200万円から400万円の収入を得ている層が1番多くなっています。

ですが、2番目に多いのは400万円から600万円となり、この時点で会社員の収入を超える人が多くなってくるでしょう。

極めつけは、1,000万円以上の人も10%いることです。

フリーランスになって、安定的に案件を確保して単価の高い仕事を選んでいくことで、会社員のときよりも大幅に稼いでいくことができるのもフリーランスのいいところです。

フリーランスエンジニアの将来性は?

昨今は、AIがコードまで書けるようになり、エンジニアの仕事は減ると噂されています。

しかしながら、AIも完璧ではありません。問題が生じたときに問題点を洗い出せるエンジニアは必要です。

それに、エンジニアがAIを使うことで、作業をより効率化できるようになります。

そのため、需要の出てくる分野やそこで使われる言語にアンテナを張り、いち早く取り入れるといった努力も必要になります。

次々に出てくる新しい技術を取り入れて身につけていくことで、案件が途切れず、収入を上げていけるフリーランスエンジニアになれるでしょう。

フリーランスエンジニアのメリット・デメリット

ここからは、フリーランスになった場合のメリットとデメリットについてご紹介します。

フリーランスエンジニアのメリット

自分で仕事を選べる

フリーランスエンジニアは自分で仕事を選べるというメリットがあります。

数々の依頼の中から、自分が得意な案件を選んで応募や提案をすることができます。

会社員は、会社が決裁権を持っているので、割り振られる仕事をしなければなりません。

ですので、不得意なことを引き受けてストレスに感じることもあるでしょう。

時間や場所を選ばない

フリーランスになると、基本的に在宅での仕事なので縛りがありません。

納期に間に合えば、何時に起きてどこで仕事をするかなどは自由です。

ですので、自宅での仕事に飽きたら、近くのカフェやコワーキングスペースなどで仕事をして気分転換することもできます。

旅行が趣味なら世界を旅しながら収入を得ることだってできるというメリットもあります。

自分次第で収入を増やせる

フリーランスには、残業などもありません。

そのため、仕事量の効率化を計れば、頑張り次第で収入を増やせます。

たとえば、通勤時間も仕事に充てられますし、その気になれば朝から寝る直前まで仕事をすることだってできます。

会社と違い、頑張れば頑張っただけ報酬として受け取れる、やりがいがフリーランスにはあります。

フリーランスエンジニアのデメリット

取らなければ仕事はない

フリーランスのデメリットとして大きいのは、案件の確保です。

会社員は何もしなくても、朝出社すれば仕事がありますが、フリーランスはそうはいきません。

常に依頼された案件をこなしつつ、新しいクライアントの確保にも力を注ぐ必要があります。

もし営業活動をしっかり行っていなければ、クライアントから依頼されなくなったときに、一気に収入が減ってしまうことも考えられます。

そうならないために、日頃からクライアントとの関係性を築いておくのも大切です。

頭の中は常に仕事ことばかり考えがち

お伝えしたように、フリーランスになるとクライアントの獲得で手間取る人は多いです。

仕事がないと一気に不安になり、休みの日も作らずにクライアント候補に営業文を送るなどで、常に仕事のことで頭がいっぱいになってしまうこともあります。

また、仕事の依頼がたくさんになってしまっても、スケジュール調整のことで、仕事のことばかり考えてしまいます。

仕事のことばかり考えると、リラックスできる時間がなく、ミスの原因にもなりかねないので、しっかりと休養を取る時間を作りましょう。

初めの単価が安くて心が折れる

フリーランスで駆け出しの頃に、心を折られるケースは、単価が安いことです。

会社員としてはエンジニアとして働いてきたとしても、フリーランスになると1人で行った仕事がないために、ポートフォリオなどの実績になるものがありません。

そのため、単価の安い仕事から受けて実績を作り上げていく必要があります。

初めの頃の単価が安いので月収も低く、挫折の原因になりますが、継続していくからこそ単価が上がって、大きな仕事もまかせてもらえるということを覚えておきましょう。

フリーランスになる前に意識すべきこと

フリーランスエンジニアを目指すにあたり、挫折しないために覚えておきたいことをご紹介します。

仕事はいきなり辞めない

仕事をいきなり辞めてフリーランスになると痛い思いをします。

その理由は、思っているよりも案件を獲得できず、案件を獲得できたとしても単価が低いからです。

またクラウドソーシングサービスを利用する場合、1つの案件に対する応募者が多すぎて、実力よりも単価をどれだけ下げるかの勝負になります。

単価を1番低く提案した人が勝利する可能性があるため、どの案件に応募してもなかなか仕事がとれず仕事がない日々が続き、収入がどんどん低くなってしまうことも…

そうならないために、仕事を辞めるまでに準備をしておくことが大事です。

未経験者は独学でフリーランスになれるのか?

結論からいうと、未経験者でも独学でフリーランスになれます。

そもそも開業届さえ出せばフリーランスになることはできます。

ただし、この質問の意味合いとしては、フリーランスのエンジニアとして食べていけるかというところだと思います。

ここでは、未経験者がフリーランスエンジニアとして食べていけるようになるまでのステップをご紹介します。

副業から取り組むこと

仕事をいきなり辞めないことが大事であることをお伝えしました。では、どうしたらいいのかというと、まずは副業ではじめておくのがおすすめです。

副業で取り組んでさえいれば、会社の安定した収入をもらいつつも、副業に取り組み、クライアントとの関係性を構築することもできます。

そうすれば、いざ会社を辞めてフリーランスになるときも、特定のクライアントがいる状態で、ある程度単価も上がった状態からスタートできます。

なので、今月家賃が払えるか心配…といった焦りや不安を感じることを避けられます。

副業時代にスキル磨きと実績を積んでおくこと

副業でエンジニアをはじめるときに心がけたいのが、スキル磨きと実績を積むことです。

副業で実績を積んでおけば、フリーランスになったときに案件を獲得しやすくなります。

また会社員のときに安定収入を得ながら、休みの日に新しい知識や言語などを学ぶのもいいでしょう。

エンジニア業界で需要のある言語を学んでおくと、依頼が途絶えないエンジニアになることができます。

副業中にポートフォリオを作成しておくことで、独立後にスムーズに案件獲得を行っていけるようになります。

3ヶ月は生活できるくらいの貯金をしておくこと

いくら準備をしてフリーランスになっても、何が起るかわからないのが世の中です。

実績があってスキルがあっても案件を上手く獲得できないこともあります。

はじめの頃は収入も低く、数万円から数十万円かもしれません。

そんなときに諦めなくて済むように、最低でも3ヶ月は無収入でも暮らせるくらいの貯金をしておきましょう。

しっかりと準備があって、3ヶ月間がむしゃらに営業活動できる時間があれば、体制を立て直すことはできます。

反対に貯金がないと、すぐに諦めなければ生活ができなくなってしまうので、60万円から90万円ほどは貯金をしておくことをおすすめします。

まとめ

この記事では、フリーランスエンジニアの現実についてご紹介しました。

会社員からフリーランスになるとき、しっかりと準備していないと、夢破れて会社員に戻ってしまうでしょう。

しかし、準備が整ってからフリーランスになることで、思い描いていたような時間と場所に縛りがなく、頑張った分だけ収入に反映されて会社員時代の倍を稼いでいくこともできます。

すべて準備が大切となるので、実績作りとクライアントが獲得できてからフリーランスになることをおすすめします。